元氣

玄米の有効成分で腸活・脳活・膵活

出典元:株式会社SENTAN Pharma(BRAIN LINK FLORA®)

<世界的な研究者にインタビュー>

琉球大学 医学部教授 益崎裕章 氏(ますざき ひろあき)

今回のインタビューでは琉球大学 医学部教授 益崎裕章 医学博士をお迎えします。
肥満の研究からスタートし、今では脳科学のアプローチを行なっている益崎教授。

京都大学、ハーバード大学をへて、沖縄・琉球大学で発見した世界初のアプローチや世界的科学誌 Natureにも取り上げられた、SENTAN Pharma社と共同研究についても詳しく伺います。


京都、ハーバード、琉球大学
研究を経て発見した「腸」と「脳」の関係

■益崎教授:
本日はよろしくお願いします。

■インタビューアー:
本日はお話を伺う機会をいただき、ありがとうございます。 まずは、これまでのご経歴からお聞かせいただけませんか?

■益崎教授:
私は、京都大学医学部を卒業し、ハーバード大学留学を経て、現在、琉球大学で研究活動や教鞭をとっておりまして 「代謝学や内分泌学」 を専門にしております。
21世紀の初頭、ハーバード大学留学時代は医学部長も歴任されたジェフリー・フライヤー教授の研究室で 『内臓脂肪が過剰に溜まることで小太り状態から様々な代謝異常が重積する』 メタボリックシンドローム という言葉を医学の世界に提唱する過程に関わりました。

新しい言葉でもあり、最初は なかなか広まりませんでしたが、今では「肥満症」を論じる際のキーワードのひとつとなりました。

沖縄は第二次大戦後の急激な食の欧米化で肥満者が一気に増加した地域なので、琉球大学に着任後は内臓脂肪の研究に留まらず、「脳の働き」から肥満にアプローチする研究を展開し、新たな発見を得ることが出来ました。


欧米の学会で発表 
肥満は「脳の異常」だった

■インタビューアー:
肥満と脳の関係、その発見はどのようなものだったのですか?

■益崎教授:
動物性脂肪の摂取量が多いと脳の中でどのような変化が生じるかを研究しました。
牛や豚などの4つ足動物に由来する動物性脂肪や植物性油でもパーム油などに大量に含まれる「パルミチン酸」に代表される飽和脂肪酸が自然免疫系の受容体であるTLR4にキャッチされ、脳のマクロファージと称されるミクログリアという細胞を過剰に活性化します。

ミクログリア細胞が活性化されますと神経細胞のスクラップ過剰を起こして神経連絡性(ニューロンネットワーク)を脆弱にします。
このようなシナプス切断が延々と続くと、次第に 「認知機能障害」、「やめられない、とまらないというような依存的な食行動」「運動意欲の低下」 など 「肥満脳」と呼ばれる状態に陥ることがわかってきています。

このような新しい研究結果を欧州糖尿病学会(EASD)や米国糖尿病学会(ADA)の学会誌に発表し、欧州糖尿病学会誌 Diabetologiaでは私達の論文が掲載号を表紙を飾ることが出来ました。
同年には世界最高峰の科学誌「Nature」でも私達の研究成果が紹介されました。


日本の伝統食 「玄米」の中に脳を変える機能成分を発見

■インタビューアー:
肥満症を解消するには脳へのアプローチが必要だということでしょうか?

■益崎教授:
その通りです。
かつて世界屈指の長寿地域であった沖縄地方では、肥満者の増加に伴って長寿ランキングが男性では1位から36位まで転落しました。
肥満症を解消することに健康長寿の鍵が存在すると考え、私達の研究室では『肥満脳』の解消法を探求する過程で「玄米」が含有する機能成分に注目しました。

かつて健康長寿を謳歌した時代の沖縄県民の多くが玄米を食していたことや、玄米から白米文化に移行した江戸時代にはビタミンB1が不足する「脚気」が流行し、“江戸患い”と呼ばれたことを踏まえ、玄米には現代の日本人にかけている何かがあるのでは、という仮説に到ったわけです。

私達は玄米に含まれる数百種類にも及ぶと言われる多彩な機能成分の中で、特に「γ-オリザノール」に注目しました。
コメの学名はオリザ-サティヴァなので、オリザノールは まさしく、“コメ油”という意味になります。
植物由来の天然の油が脳に働きかけて動物性の油の病みつきを防ぐというメカニズムはとても興味深いと思います。


「玄米」の有効成分で「腸活」&「脳活」

■インタビューアー:
γ-オリザノールを通して、どのようなことがわかったのでしょうか?

■益崎教授:
私たちの研究から、世界で初めて、γ-オリザノールが
「脳」 (中枢神経系)
「腸」 (消化管と腸内細菌)
「膵臓」 (血糖値を制御するインスリン産生細胞)
に作用することを見出しました。

中枢神経系においては γ-オリザノールが脳のストレス(小胞体ストレスと呼ばれるものです)やミクログリア炎症を抑え、さらには食べることに伴う満足感を伝えるドパミンのシグナルを受け取りやすくなることによって「肥満脳」が改善することを発見しました。

腸においては γ-オリザノールがバクテロイデテス門に属する、いわゆる「やせ菌」を増やし、発酵を助け、痩せやすさや抗炎症、抗アレルギー、抗がん作用などを担う短鎖脂肪酸の産生が増加することを明らかにしました。
腸内フローラのバランスを改善する発見では既に特許を取得しております。

膵臓では γ-オリザノールがインスリン産生細胞であるβ細胞に作用してグルコースによるインスリン分泌(GSIS)を増強し、β細胞の細胞自殺(アポトーシス)を抑制する効果を突き止めており、糖尿病の予防や改善への応用が期待されています。
北海道情報大学で実施されたメタボリックシンドローム予備軍を対象として臨床研究では、γ-オリザノールの継続的な摂取によって中性脂肪や血糖の値が改善し、動脈硬化を防ぐ生理活性物質として注目されているアディポネクチンの血中濃度が増える結果が得られました。

γ-オリザノールは、今、話題の「腸活」に留まらず、「脳活」、さらには、糖尿病の予防に役立つ「膵活」にも期待が広がっています。
「肥満症」の成り立ちを脳科学の視点からアプローチした結果、「肥満脳」の解消だけでなく、太りにくい、糖尿病になりにくい「腸」や「膵」の環境を作れる可能性が注目されます。
私達の研究は「Nature」誌で日本の伝統食を活用するユニークなアプローチとして大きく取り上げていただきました。


今日の「脳活」 は「未来への投資」

■インタビューアー:
「日本の伝統食が世界の肥満問題を解決するかもしれない」という視点で世界に歓迎されるのは嬉しいですね。現在は どのような研究を続けられているのでしょうか?

■益崎教授:
長寿県ランキング1位から36位に転落した沖縄県は、「動物性脂肪」への依存に加え、糖尿病患者の増加や肝疾患死亡の増加が顕著であり、「脂肪」、「糖」、「アルコール」への依存から、働き盛り世代の死亡率が男女も全国ワースト1位という残念な状況を生んでいることがうかがわれます。

現在、私達の研究チームでは「動物性脂肪」に限らず、様々な「依存脳」のメカニズムにアプローチしています。
例えば、アルコール依存に対するγ-オリザノールの予防・改善効果です。

アルコール依存モデルマウスを用いた実験からはγ-オリザノールの継続的摂取により、アルコールの摂取量が半減することを明らかにしており、最初からアルコールとγ-オリザノールを同時に与えたマウスではアルコール依存にならないで済むという予防効果も検証出来ています。

このほかにも、γ-オリザノールがタバコ(ニコチン)やスマホ、インターネット、ギャンブルなどに対する依存脳を改善する可能性を探究しています。

■益崎教授:
最近の海外の研究から、中年期の肥満がのちの人生における認知症リスクを上昇させることがわかってきました。
英国ケンブリッジ大学の研究では、肥満者の脳は肥満でない場合に比べて10歳分、脳の萎縮が加速することが示されています。
認知症は発症から診断までに5年から15年以上の時間を必要とし、早期に気付くことが極めて難しい病気です。

そこでSentan Pharma社との最近の共同研究では認知機能にもアプローチしました。
γ-オリザノールをNano化して消化管からの吸収率を数十倍に高め、高齢で認知機能が低下したマウスに一定期間、投与した結果、マウスの空間認識能力(短期記憶力の指標のひとつ)が有意に改善することが明らかになりました。
ヒトに置き換えると、軽度認知機能障害(MCI)の段階であればγ-オリザノールによる改善効果が充分に期待できることを示しています。

2021年の年末には Sentan Pharma社と琉球大学の共同で この研究結果に関する特許申請を完了しています。
肥満症改善のメカニズム解明からスタートし研究が今では「脳機能の改善」につながることがわかってきました。


全世代が注目する有効成分に

■インタビューアー:
「肥満」から始まった研究活動が「依存脳の解消」そして「認知機能の改善」と、 「腸活」「脳活」だけではなく、「未来のパフォーマンス」まで活きるようなイメージがふくらんできましたね。

■益崎教授:
そうですね。 脳を変えることによって行動変容が起こり、健康長寿を手にすることが可能になるわけです。
玄米抽出成分やγ-オリザノールを日常的に取り入れることで便秘が改善したという声や過度な食欲が抑えられるようになったという声などを戴くことが増えています。

また、「風邪を引きにくくなった」とか「花粉症の症状が改善した」など、免疫機能の向上を体感できるという声も耳にしています。
さらに、働き盛り世代のパフォーマンス向上、「脳活」に活用したり、高齢の親世代の認知症対策に活用する事例もあります。

私達の研究が若い世代から、働き盛りの世代、高齢世代まで、幅広く役立つ可能性が見えてきたことは大変嬉しいことです。

■インタビューアー:
研究の内容から、新たな展望まで、益崎教授の研究を通した未来を感じることができました。本日はありがとうございました。


出典元:株式会社SENTAN Pharma(BRAIN LINK FLORA®)

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